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淡路島で3月22日より待望の和物ショー「舞い踊る郷の響き~ふるさと Neo Japonism(ネオ・ジャポニズム)~」が開幕します。全国の民謡が展覧会のように次々と現れる劇場波乗亭のオリジナルショー。今回はお稽古の現場からレポート第三弾をお送りします。
日本各地には、その土地の風土や歴史を反映した美しい民謡が数多く残されています。今回取り上げるのは熊本県を代表する2つの名曲、「おてもやん」と「五木の子守唄」。時代を超えて多くの人々に愛され続けています。本公演では、コミカルな踊りや風車を利用した振り付けなど新たな形で披露します。
「舞踊る郷の響き〜ふるさとNeo Japonism(ネオ・ジャポニズム)〜」公演HPは〈こちら〉
戯れ唄や流行り唄として、一般にも口ずさまれてきた曲です。題名にもなっている”おてもやん”は女性の名前を指し、”やん”は「ちゃん」とか「さん」を意味しています。熊本弁が色こく出た陽気な歌詞が特徴です。
歌詞に登場する「おてもやん」のモデルは富永チモ、という史実があります。
”おてもやん あんたこの頃嫁入りしたではないかいな” の歌詞から始まる歌の内容は、嫁入りした女性が夫にあまり好かれていないことを嘆くもので、そのユーモラスな表現が特徴です。その独特のリズムと親しみやすいメロディーにより、「おてもやん」は長年にわたり多くの人々に愛され続けています。
今回は池野千夏氏がコミカルにおてもやんを歌い上げ、音月さつき氏がおてもやん役を演じます。見ていて自然と朗らかな気持ちになる演出は必見です!
子守唄には二種類あり、一つは本来の童話で子供を寝かしつけるためのものです。一方、守り子唄と呼ばれる種類があり、こちらは口減しのために奉公に出された子供が自分の不幸を慰めるために歌われた曲です。「五木の子守唄」は守り子唄に当たり、熊本県五木村に伝わる哀愁を帯びた歌です。かつて貧しい家の子供たちが家計を助けるために奉公に出されることが多かった時代に、幼い弟妹や主人の子供をあやすために歌っていました。
伝承によれば、治承・寿永の乱(源平合戦)で敗れた平氏一族が五家荘(現在の八代市)に定着し、その動向を監視するために鎌倉幕府は東国の武士である梶原氏や土肥氏らを五木村に送り込んだとされています。こうして五木村には、武士の子孫を中心とした「三十三人衆」と呼ばれる地主層が形成されました。
一方で、土地を持たない「かんじん」と呼ばれる小作人たちは、田畑だけでなく住居や農具に至るまで地主に借り受け、厳しい生活を余儀なくされました。彼らの娘たちは幼くして労働力として扱われ、10歳になると地主の家や他の村へ子守奉公に出されることが一般的でした。このような社会の仕組みの中で生まれたのが、「五木の子守唄」だったのです。
この歌の歌詞には、次のようなフレーズがあります。
おどま ぼんぎりぼんぎり ぼんからさきゃ おらんと ぼんぎりぼんぎり ぼんからさきゃ おらんと
この歌詞は、私は乞食のようなものだ。(それにくらべて)あの人たちは良か衆(お金持ち、旦那衆)で、良い帯を締めて立派な着物を着ているという意味で、自分たちの境遇を歌っている。
本公演では石坂光氏が哀愁漂うメロディーを歌い、山根千緒里氏と原萌々花氏が風車と共に舞います。生楽器が中心となったアレンジで喜連麻衣氏(ヴァイオリン)、佐藤碧美氏(フルート)が可憐に演奏します。

舞い踊る郷の響き~ふるさとNeo Japonism(ネオ・ジャポニズム)~
淡路島出身の廻船商人“高田屋嘉兵衛”の旅路を、音楽と舞で辿ります。大分県の「荒城の月」、熊本県の「田原坂」、島根県の「安来節」など日本各地の民謡を、ラテン、ジャズなど現代風にアレンジ。まるで万博のように、日本の伝統の音楽が一堂に集結!日本の魅力を再発見するレビューショーをお楽しみください。
【出演】
坂元健児
石坂光/ 池野千夏 / 音月さつき
金森なつみ/山根千緒里 /原萌々花
長岡美地留/ 中川ひかる/吉田梨乃
田野清香/榮なつき
【演奏】
上田秀一郎・五十嵐広大(太鼓)
喜連麻衣(ヴァイオリン)
佐藤碧美(フルート)
【スタッフ】
脚本・演出・振付 謝珠栄
音楽:韓子揚、小澤時史
舞台美術:中辻一平
照明プラン:竹内哲郎(株式会社ハートス)
音響プラン:本村実
衣装:根木伸介(衣装屋オテンテン)
太鼓作調:上田秀一郎
【日程】
各回14時00分 開演(13時30分 開場)
※約55分予定

チケットご予約・ご購入
一般 4,000円
小中高 2,000円



icanca会員の方、各種クーポンをお持ちの方は以下よりご予約ください。


青海波 お得なランチセット
■和食・青の舎
公演(通常4,000円)+青の舎御膳(6,500円)
⇒セットプラン 9,500円
※食事代・公演チケット代を含む
ご予約は<こちら>
青の舎の予約サイトTable Checkにジャンプします

■古酒の舎
1日10食限定コラボメニュー!期間中しか味わえないプレミアム体験 古酒の舎さわちランチ
「舞い踊る郷の響き」公演期間中のみ提供されるこの特別ランチは、1日10食限定の貴重なメニュー。各地の民謡を楽しむショーとともに、ここでしか味わえない特別な掛け合わせ料理を、楽しむことができます。
食と舞台が一体となるこの企画は、日本の伝統文化をより深く体感できる試みでもあります。郷土料理の歴史や背景を知ることで、ただの食事ではなく、その地域の文化や物語を味わうきっかけになれば幸いです。
舞い踊る郷の響き〜ふるさとNeo Japonism(ネオ・ジャポニズム)〜
コラボメニュー 古酒の舎さわちランチ
・真鯛のりゅうきゅう (淡路島×大分郷土料理)
・明石たこのぶたあえ (兵庫×熊本郷土料理)
・さぬきのめざめの焼き浸し (香川)
・かつおの塩たたき (高知)
・赤てん (島根)
・塩丸いかと伏見甘長とうがらしの和え物(長野×京都)
・笹団子 (新潟)
・べったら漬け (東京)
ご飯・スープ付き
提供期間:2025年3月22日~2025年5月6日
価格:2,000円(税込)
提供場所:古酒の舎(青海波施設内)
ご予約は<こちら>

会場・アクセス
青海波 劇場 波乗亭(なみのりてい)
〒656-1723 兵庫県淡路市野島大川70
TEL:0799-70-9020


[お車]神戸淡路鳴門自動車道 淡路ICより約10分、北淡ICより約15分
【ご注意】駐車場が込み合う可能性がございます。お時間には十分余裕を持ってお越しくださいませ。臨時駐車場については<こちら>
[高速バス]神姫バス・北淡路西海岸ライン「野島大川(青海波前)」にて下車、徒歩3分
(各線三ノ宮駅より約55分、JR舞子駅より約25分)
[高速船]各線明石駅から淡路ジェノバライン乗船、岩屋港のりばよりシャトルバスで約20分
