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波乗亭
2025.01.13

【淡路島】鼓淡公演「赫々たる大地へ~鎮魂・祈りの響命~」淡路の地から人に寄り添える演奏を

淡路島にある青海波 劇場波乗亭(なみのりてい)では太鼓集団鼓淡による公演「赫々たる大地へ~鎮魂・祈りの響命~」が無事千秋楽を迎えました。太鼓奏者の上田秀一郎氏が指導する太鼓集団鼓淡による公演。和太鼓と舞、ピアノ、バイオリンなど和太鼓演奏の新たな可能性を示した本公演の様子をお届けします。

冒頭

幕開きを飾ったのは淡路島で活動する佐野和太鼓クラブの子供たち。兵庫県淡路市佐野で活動する和太鼓クラブで、太鼓集団鼓淡のメンバーである古谷優介氏が指導しています。上田秀一郎氏作調の『大地赫々』を力一杯演奏し、会場を沸かせました。続いては『波濤を超えて』(以下、楽曲に関しては上田秀一郎氏の作調)。舞台後方の幕が開き、海が見える劇場波乗亭(なみのりてい)ならではの演出で、幻想的な雰囲気の中、海を背景に演奏されました。

淡路島 鼓淡

舞、洋楽器とのコラボレーション

続く『朔乃響』、『四季舞奏』では、音楽島-Music Island-地方創生エンターテイナーとのコラボレーションが続きます。音月さつき氏の振り付けは扇やファンベールを使ったもので、妖艶な世界に観客を引き込みました。また大太鼓を三つ使った男性陣による太鼓パフォーマンスと女性バイオリニストの藤井美帆氏の演奏は対比があり、迫力がありながらも、美しさを兼ね備えた作品でした。

淡路島 エンターテイナー

淡路島 鼓淡

オペラ歌手も交えた大迫力の演奏

赤と青の印象的な照明とともに演奏された『無窮の空』では、ピアニストの山元しゅんこう氏と上田秀一郎氏の技巧が遺憾無く発揮され、会場は拍手に包まれました。また、日本古謡「荒城の月」を元に、作曲家の大森愛弓氏により編曲された楽曲が披露され、懐かしさを覚えながらも、アレンジによる新しい響きに驚きと感動が感じられました。同曲は上田秀一郎氏の太鼓からインスピレーションを得て編曲された。続いては本公演用に再編曲された『さくらボレロ』(編曲:上田秀一郎 原作:大森愛弓)。和太鼓、洋楽器、歌手、ダンサー総勢17名により演奏され、観客を圧倒しました。原作はモーリス・ラヴェル作曲のボレロを和風にアレンジし、さらに『さくらさくら』を組み合わせ「和×洋」の世界観でショー・アップされた作品である。最後は太鼓集団鼓淡の十八番である『暁月』『黎明』を演奏しました。一糸乱れぬ動きと圧倒的な熱量に会場は包まれ、熱狂の拍手が鳴り止まぬ中、本編が終了しました。

淡路島 鼓淡

タイトルに込めた想い

本編が終了した後、上田秀一郎氏から、来場されたお客様、そして一緒に取り組んだメンバーへの感謝の意が述べられました。1995年に地元襲った阪神大震災の際、避難所で激励演奏をきっかけに太鼓の道を進んだ上田秀一郎氏は、震災より30年経った節目として、追悼、そして手を差し伸べて下さった方々への感謝の気持ちを込め演奏会に臨んだと語りました。

「赫々たる大地へ~鎮魂・祈りの響命~」

【出演者】

◇指導・作調・演奏・構成・演出
上田秀一郎

◇太鼓集団「鼓淡」
古谷優介/五十嵐広大/中塩将太/木田やよい/石田遼子/小佐川幸以/前田征樹/影山ひかり/甲山詩織/孫梨華/金谷紗希/久胡壮生/関根晨大/高宮海人/前田 萌花

◇音楽島-Music Island-
藤崎優二(歌)、近藤早英香(歌)、佃華枝(歌)、佐藤碧美(フルート・笛)/角松歩実(トランペット)/藤井美帆(ヴァイオリン)/山元しゅんこう(ピアノ)

◇地方創生エンターテイナー
石坂光/音月さつき/羽田詠香/岡松咲樹/山口未千留


【共演】

◇佐野和太鼓クラブ

《上田秀一郎》プロフィール

1995年に地元神戸を襲った阪神大震災後、激励演奏を行う中、太鼓の大きな力に感銘し活動を開始。 林英哲に師事。「英哲風雲の会」のメンバーとして国内・海外コンサートに出演。
2004年ソロ活動を開始。
平成中村座「夏祭浪花鑑」に初の太鼓奏者として出演し、十八代目中村勘三郎丈と共演。 串田和美演出「コクーン歌舞伎」、内田裕也プロデュース「NEW YEARS WORLD ROCK FESTIVAL」、謝珠栄演出ミュージカルに出演。
2020年 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に出演、劇中のシーンの作曲も手がける。
2021年 尾上松也歌舞伎自主公演「挑む~vol.10」に出演、太鼓作調。
2021年 NHKドラマ「忠臣蔵狂詩曲No.5中村仲蔵 出世階段」のエンディングに出演、作曲も手がける。 2023年 歌舞伎座・十二月大歌舞伎「超歌舞伎」に出演し中村獅童、初音ミクと共演。
2024年 十八世中村勘三郎十三回忌追善 三島村歌舞伎「俊寛」のオープニングにて大太鼓独奏曲「光の 道標」を演奏。NHK「古典芸能への招待」に出演。
「早稲田大学交響楽団ヨーロッパツアー2024」にソリストとして出演し、ベルリンフィルハーモ ニー、ウィーン楽友協会、他で演奏。
「Dance World Cup 2024 inPraha」「Arte Laguna Prize2024」など海外公演にも多数出演した。 また、テレビ朝日「題名のない音楽会」NHK「にっぽんの芸能」CMなどメディアにも出演している。 

上田秀一郎 インタビュー記事は《こちら

上田秀一郎 オフィシャルHPは《こちら

《太鼓集団鼓淡》プロフィール

若手で構成された太鼓集団「鼓淡」。林英哲率いる「英哲風雲の会」のメンバーとして国内・海外で活躍し、太鼓ソリストとしてオーケストラや歌舞伎とも共演している、上田秀一郎氏の指導の元、淡路島のみならず、関西・関東方面にも活動のエリアを展開しています。バレエや多用なジャンルのパフォーマーとのコラボ演奏も行い、幅広い分野のエンターテインメントにも活動を広げています。イタリア、シチリア島にて開催をされた 『 マンドーロインフィオーレ 』 に日本代表として出演し、 26 団体中2位を受賞するなど世界でも日本の太鼓の魅力や地域の魅力発信をしています。

公演の様子

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