様々な気持ちが入りくむ新年。新しい年を迎える華やかで喜びにあふれる気持ち、久々に家族と会って感じる温かい気持ち、昔を思う懐かしい気持ち、どこか寂しい気持ち…その気持ちを『バレエ×オペラ』そして豪華生演奏と共に辿っていくコンサート『バレエ&オペラ ニューイヤーコンサート2025~新春の贈り物~』が淡路島の旧アソンブレホールにて開催されます。今回はイタリアで活躍し、現在兵庫県淡路島でも活動拠点を持つ藤井泰子氏にインタビューしました。
-最初に、歌を志したきっかけなどお聞かせ頂けますか?
8歳の時です。母に連れられて車に乗っていると、カーラジオで歌が流れてきて。マリア・カラス(ギリシャ系アメリカ人のオペラ歌手で20世紀最高のソプラノと言われる)の歌う「カルメン」(ビゼー作曲のフランス語オペラ)でした。
衝撃的な出会いでした。彼女のドラマティックな声に魅了され、歌と演劇の融合である「オペラ」の世界にすっかり虜になってしまったんです。もちろんその時にはこの女性が何語でどんな物語を演じているなど分かりもしませんでしたが、歌の抑揚やダイナミクスから「あ、ここは抱擁しているんだ」「相手に怒りをぶつけているんだ」と色々な情景が想像できたんです。声の持つ表現力の素晴らしさに取りつかれました。
-鮮明に覚えていらっしゃるのですね。衝撃の強さが伝わってきます。それでは歌は8歳の時からですか。
音楽自体は小さな頃から大好きで、母が家で教えていたピアノは2歳から、フルートは9歳から始めました。小学校入学前に記した将来の夢は「歌えるアイドル女優」だったらしいので、オペラ歌手からさほど遠くはありませんよね(笑)。声楽の師匠についたのが15歳の時です。
-いつ頃から音楽の道、つまり音楽を職業として意識されていましたか?
自然とその道を歩んでいました。他にも多くの興味を持ちつつも、自分は音楽をやるべき人間だという変な確信があり、受験校に通いながらも音楽の勉強はたくさんしました。オペラに必須と言えるイタリア語は日本にいる間に田舎でほぼ独学で勉強し、かなり話せるようになってから留学しました。ですから日本の若い後輩たちにはお伝えしています、「日本でも地方でも、学べることは実はたくさんあるよ」って。私もまだまだ勉強中、いくらやっても足らない…(笑)。
-ありがとうございます。私も留学経験がありますが、留学によって何か変わるのではなく、日本で勉強したことの延長線上である、と感じています。イタリアでの経験、また舞台に上がる時に大事にしていることをお伺いできますか?
私にとって舞台は生身の身体一本で自分をさらけ出す、神聖な場所。まず遺された名作たちを描かれた通りに歌い切るための技術的な問題をクリアする鍛錬が必要です。そこではじめて自分らしい自由な表現が可能になり、自分をできる限りピュアにすることで役と自分をリンクさせることができます。
積極的に色々な経験をして自分の引き出しを増やす修行、辛い時期でさえも、成長に繋がると思えば少し楽になるというものではないでしょうか。
お料理に例えますと、技術の優れたシェフと高品質の素材の両方が揃って初めておいしい一皿が完成、ということですね。私も淡路産の玉ねぎのように、生でも美味しい素材になれますように(笑)
-折角ですので淡路でのオペラ活動の展望をお願いします。
自然美や美食に歴史、イタリアにもヒケをとらない淡路島には、少数ですがオペラに通じる熱狂的なファンがいらっしゃいます。アワジオペラカンパニーは若い団体ですが、そのような通の方も、またオペラは初めての方も、一緒に楽しんでいただけるひと時を創っていきたいと試行錯誤しています。
こどもの頃の私が車のラジオを聞いて度肝を抜かれたように、いつ、どこにいてもオペラのシンプルな、真の魅力が伝わることを目標にし続けて生きていきたいと思っています!
-最後に、今回のバレエとのコラボレーションについて聞かせてください。
もともとオペラとバレエは同時代に歌劇場で手を取り合って発展してきたものです。人生ドラマの一コマをバレエは主に身体で、我々は主に声で表現して演じます。その二つの形態が合わさるのはとても自然で、かつ理想的なコラボだと思います!
いつも感動をいただいている大好きなAwaji World Balletの皆様との初共演、今からワクワク楽しみにしております!
■ 『バレエ&オペラ ニューイヤーコンサート2025~新春の贈り物~』概要
日 程: 2025年1月11日(土)、12日(日)
時 間: 14:00開演(13:30開場)より約1時間
<ダンサー>
ネリア・イワノワ/スヴェトラーナ・シュリヒテル /ソフィア・シェイコ
/マルガリータ・ドゥシャコワ /カテリーナ・エフチコーワ/マリア・ヴォロコビナ
/ソフィア・ヴァレンシコ/アナスタシア・レフクット /セルゲイ・ロモヴィツキ―
/コンスタンティン・ツァプリカ /タラス・コヴシュン/オレクシー・ゴギッゼ
/倉智太朗/山本春姫/横田爽磨ほか
<演奏>
音楽島オーケストラ
<構成・演出・振付・出演>
針山愛美
<オペラ>
藤井泰子/藤崎優二/冨田裕貴/庄司優歌
公式HPは《こちら》
会 場: 旧アソンブレホール(兵庫県淡路市岩屋2942-17)
料 金: 一般/3,000円(税込)、中高校生/1,000円(税込)
右記電話番号からもご購入いただけます 050-3816-3651
問合わせ: TEL 050-3816-3651(9:00~18:00)※木曜定休日
E-mail awajiballet@pasonagroup.co.jp
備 考: 同日、同会場にて元キーウ国立バレエ学校講師によるワークショップを開催
料金/参加 2,500円、見学 1,000円
時間/15:45〜17:00
■「特別抽選会」概要
期 間: 2025年1月11日(土)、12日(日)
内 容: 上演後にAwaji World Balletの特別なグッズが当たる抽選会を開催
景 品: Awaji World Ballet ラトビア公演のポスターやお菓子などが入ったお土産(サイン入り)
Awaji World Balletグッズ三点セット(サイン入り)
※景品は両日共に共通
問合わせ: Tel 050-3816-3651(9:00~18:00 ※木曜定休日)