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波乗亭
2024.07.27

【ミュージカル「福来たる」】関連コラム 5.淡路島の産業

◎豊かな土地が生んだ淡路島の地場産業

 四方を海に囲まれた淡路島は比較的温暖な気候に恵まれ、古くから「御食国淡路」とも詠われ、豊かな食が魅力のひとつです。玉ねぎやレタスなどの野菜やビワやミカンなどの果樹の栽培、いかなご、ちりめん、魚や海苔の養殖、素麵づくり、線香、瓦など地場産業は多岐にわたります。

●全国ブランドになった玉ねぎ

  「玉ねぎ島」とも呼ばれる淡路島産の玉ねぎには様々な種類があることをご存知でしょうか。「早生」(わせ)「中生」(なかて)「晩生」(おくて)の三種類が多く作られますが味や収穫時期もそれぞれ違います。

 その美味しさの秘訣は雨が少なく日照時間が長い温暖な気候と、水はけが良く瀬戸内海の潮風から運ばれるミネラルたっぷりな土壌にあります。また、お米の裏作として栽培することで土の中の有害な菌が減少し玉ねぎに最適な状態になります。

 中央アジアをルーツに持つ玉ねぎは、ネギ属の一種でもあるため古代エジプトでは貴重な栄養源であり、アメリカ南北戦争では薬としても用いられていました。そんな歴史を持つ玉ねぎが淡路島にやってきたのは1888年(明治21年)、兵庫県から配布されたアメリカ輸入の種子を南あわじ市の旧賀集村で試作したのが始まりでした。販売を目的に集団栽培に着手したのは1920年(大正9年)。米の裏作に玉ねぎを作ってはどうかという案から、試作したところ裏作物の主流だった麦を大きく上回る利益を得ました。

 その後販売価格が暴落、集団栽培は中断の危機に陥りましたが、価格向上を図り、品種改良を盛んに行い栽培技術を高めるなどたゆまぬ努力を礎に現在では全国トップクラスの産地へと知られるようになりました。

◎日本一の香りの町

 町を歩くと海風とともに線香の良い香りが漂ってくる淡路市江井。『日本書紀』にも記され歴史あるお香の町ですが、日本一の地場産業まで引き上げたのは相次ぐ戦禍による慰霊のための所謂“戦争特需”でした。

 1643年(寛永20年)に阿波藩の藩邸が設置されて以来、天然の良港をもつ江井は海運業者が拠点を構え、当時淡路島で最も栄えた港町でした。しかし、西風が強く吹き荒れるため冬は出漁できず、この冬枯れ対策として1850年(嘉永3年)、泉州堺から線香の熟練職人と技術を持ち帰りスタートした副業が線香づくりです。

 当時海上警備の重要な基地でもあった江井は九州や堺へ製品輸送に便利な利点があり、さらに海運業に支障をきたしていた強い西風も線香を乾かす一翼を担う欠かせない気候でした。明治時代には九州を中心に広く出回り、家内工業として発展していきます。

 1894年の日清戦争から相次ぐ戦争で戦死者が増えるとその霊を慰めるための線香の需要が激増。海運業から転業する人が続出します。線香産地の中心地だった堺市は第二次世界大戦で焼け野原となり重工業都市として復興、他の地域も空襲によって線香工場を失い線香製造に終止符を打ったことで戦後昭和30年代半ばには江井が日本一の線香生産量となり、現在に至ります。

 お香の歴史は古く、『日本書紀』によれば飛鳥時代595年、淡路島に流木が流れつき漁師が燃やしたところとても良い香りがしたので朝廷に献上したという伝承が記されています。江井近くの枯木神社は、この沈香木を御神体にしたといわれ現在でも香道や茶道を学ぶ方が多く参拝します。

 平安時代には貴族や武士の間でも衣服や甲冑に香を炊きしめる風習があり、室町時代には香りの芸術として香道が生まれ、現代の生活でも香りは日常を彩る美しい文化の一つです。淡路島の旅の記念にお気に入りの香りを探してみてはいかがでしょうか。

◎日本の三大瓦産地・淡路瓦

淡路瓦は1613年(慶長18年)、姫路城主池田輝政の三男池田忠雄が淡路島を所領とし由良成山城築城を決めた際、播州瓦の名工清水理兵衛を呼び寄せ瓦を作らせたのが始まりです。その後、淡路瓦の中心地である南あわじ市津井の製瓦業の歴史は寛永年間(1624~43)まで遡り、法華宗本門流の大本山である本興寺の援助で伝わったといわれています。

昭和30年頃まで村の戸数の約8割が製瓦業の関係者であり、昭和30年頃から機械化が始まり真空土練機の導入や、煙突のある半倒炎式窯からガス窯に変わっていきました。淡路瓦は兵庫県内で生産されている粘土瓦の約99%を占めており、1997年(平成9年)、「淡路鬼瓦」が兵庫県伝統的工芸品に指定されました。

津井の土地は原料となる鉄分豊富できめ細かい良質な粘土に恵まれ、発色が良く、美しい輝きが魅力です。燻化といわれる炭素膜が特徴のいぶし瓦が主力で、成型して乾燥させ釉薬をかけて焼成する陶器瓦、変化をつけた色味が美しい窯変瓦などがあります。屋根材だけでなくモニュメントやオブジェなど多様な用途に展開されています。淡路瓦を使ったお土産や体験教室もあるのでぜひ触れてみてください。

■ミュージカル「福来たる~淡路ゑびす座狂詩曲(らぷそでぃ)~」

公演詳細は<こちら

敗戦から数年後の淡路島。経営難で存続に苦しむ芝居小屋「ゑびす座」に商売繁盛の神様・えびす様がやって来る⁉ 劇団四季出身俳優陣を迎えておくる、笑いあり、涙ありの情熱ミュージカル!

[時  間]
各回 14:00 開演(13:30開場)約90分予定

[出  演]
坂元健児/近藤真行/柳瀬亮輔
山根千緒里/石坂光/五十嵐広大/堂元晴近/横田爽磨/源六朋樹
金森なつみ/木村くるみ/原萌々花/長岡美地留/荒木心/田野清香/中川ひかる

[会  場]
「青海波 ‐SEIKAIHA‐」内 劇場 波乗亭

[問い合わせ]
劇場 波乗亭 TEL 0799-70-9020

ご予約・アクセス

一般      5,500円
学生(小中高)2,000円

<ご購入・ご予約>
teket(テケト)<https://teket.jp/6095/32682
イープラスhttps://eplus.jp/sf/detail/4059900001

icanca会員の方、各種クーポンをお持ちの方は以下よりご予約ください。
◎RESERVAhttps://reserva.be/awajiartandculture/
TEL[劇場波乗亭]0799‐70‐9020(10:00~18:00 ※木曜定休)

[アクセス]
青海波-SEIKAIHA-

〒656-1723 兵庫県淡路市野島大川70
TEL:0799-70-9020

 


[お車]神戸淡路鳴門自動車道 淡路ICより約10分、北淡ICより約15分
[高速バス]神姫バス・北淡路西海岸ライン「野島大川(青海波前)」にて下車、徒歩3分
      (各線三ノ宮駅より約55分、JR舞子駅より約25分)
[高速船]各線明石駅から淡路ジェノバライン乗船、岩屋港のりばよりシャトルバスで約20分

別ページ<公共交通機関で劇場波乗亭に行こう!

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